昨年没25年を迎えた日本を代表する作曲家・武満徹の 新たなる決定盤が誕生!「波の盆 武満徹 映像音楽集(指揮:尾高忠明 管弦楽: NHK 交響楽団) 」リリース!

昨年没25年を迎えた日本を代表する作曲家・武満徹の新たなる決定盤が誕生!世界の武満徹が愛した映画、テレビのために作曲した珠玉の名曲を集めた新録音が7月20日にリリースとなりました。

指揮は武満演奏の第一人者、尾高忠明。管弦楽はNHK交響楽団のベストコンビに加え、豪華演奏陣によるセッション・レコーディングを実施しており、この夏注目の1作となっています。ぜひ高音質のハイレゾにてお楽しみください。

 

「波の盆 武満徹 映像音楽集」
指揮:尾高忠明 管弦楽:NHK交響楽団

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【収録曲】

夢千代日記 (武満徹)
 1.夢千代日記
太平洋ひとりぼっち(武満徹 ・芥川 也寸志)
 2.太平洋ひとりぼっち
3 つの映画音楽 (武満徹)
 3.「ホゼー・トレス」訓練と休息の音楽
 4.「黒い雨」葬送の音楽
 5.「他人の顔」ワルツ
波の盆(武満徹)
 6.波の盆

 

指揮:尾高忠明 管弦楽: NHK 交響楽団
ハーモニカ:南里沙(2)/ ウクレレ:鈴木大介(2)
ギター:大坪純平(2)/シンセサイザー:山崎燿(1,3,6)

録音:2022 年 4 月18,19 日 東京芸術劇場におけるセッション・レコーディング

尾高_N響


▼作品概要(ブックレットより抜粋掲載)

『夢千代日記』( NHK 浦山桐郎監督): 1981 年
NHKの『ドラマ人間模様』で放送された 3 部作のテレビドラマ『夢千代日記』は、舞台となった兵庫県美方郡温泉町が放送後に「夢千代の里」として脚光を浴びるほどの話題作だ。物語には、胎内被爆で余命3 年と宣告された芸者夢千代(吉永小百合)と彼女を取り巻く人々の人間模様が、夢千代の記す毎日の日記とともに描かれる。まさに武満徹の映像作品を象徴する名作がここにある。

『太平洋ひとりぼっち』(日活 市川崑監督): 1963 年
1963年公開の映画『太平洋ひとりぼっち』は 、日本人として初めて小型ヨットによる単独無寄港世界一周に成功した海洋冒険家、 堀江謙一 1938 の実録 を 原作 とした冒険映画だ。 1962 年 5 月 12 日深夜、西宮港を出港したマーメイド号は数々の苦難を乗り越えた末に目的地サンフランシスコに到着する。この快挙と、石原裕次郎の主演によって映画は大ヒット。第 17 回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされたほか、第21 回ゴールデングローブ賞外国映画賞にノミネートされた名作だ。音楽は、芥川也寸志と武満徹による豪華な共作が実現。武満自身の手によってコンサート用にも編曲されている。

『3つの映画音楽』: 1995 年

「3つの映画音楽」は、自作の映画音楽作品から選んだ3 本を武満自身が弦楽オーケストラ用に編曲した作品だ。初演は 1995 年3月 9 日、スイス・グシュタード・シネミュージック・フェスティヴァルで行われた。

第1曲:『ホセー・トレス』(勅使河原プロ 勅使河原宏監督): 1959 年
プエルトリコのボクサー、ホセー・トレス(ホセ・トーレス)が世界チャンピオンになるまでを描いたドキュメンタリー映画につけられた音楽であることが興味深い。全体は、「タイトル音楽」「訓練の音楽」「休息の音楽」「試合前の音楽」によって構成されている。

第2曲:『黒い雨』(東映 今村昌平監督): 1989 年
井伏鱒二の同名の小説を原作とするこの映画は、広島市への原子爆弾投下によって人生を変えられてしまった人々の悲劇的な運命を描いた問題作だ。第13 回日本アカデミー賞最優秀作品賞&最優秀音楽賞など多数受賞。本作中の「葬送の 音楽」は、名作『弦楽のためのレクイエム』にも通じる祈りが感じられる。

第3曲:『他人の顔』(東宝 勅使河原宏監督): 1966 年
安部公房原作による同作は、化学研究所の事故によって顔面に醜い 火傷 を負 って顔 を失った男が、精巧な 仮面 を作成し て 自己回復のため妻を誘惑 するという数奇な物語。ここでは武満徹独特の転調が美しい「ワルツ」が弦楽合奏用に編曲されて登場する。

『波の盆』(日本テレビ 実相寺昭雄監督): 1983 年
1983年秋に日本テレビ系列で放映された倉本聰原作のテレビドラマ『波の盆』は、明治期にハワイ・マウイ島に渡った日系移民1世の物語だ。サトウキビ畑での過酷な労働に耐えて家庭を持ち、子どもたちを育ててきた彼らの運命は、1941 年の日本軍の真珠湾攻撃によって激変する。移民1世の山波公作(笠智衆)が、妻ミサ(加藤治子)を亡くした新盆の日の
1 日を描いたこの物語では、主人公が歩んできた「過去」と80 年代の「現在」が交錯する。この年の「芸術祭」大賞を受賞した感動作に寄り添う武満徹の音楽は、まさに破格の美しさだ。

 

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